仙台が、川崎FのMF中野嘉大(23)を獲得することが26日、濃厚になった。仙台は得点源のFWハモン・ロペス(27)の退団が決まり、得点に絡める攻撃的選手の獲得を目指していた。複数クラブが正式オファーを出す中で、仙台との交渉が大詰めを迎えているという。中野は独特なリズムのドリブル突破が武器で、今季は15試合に出場した。将来性豊かな23歳が新天地での飛躍を目指す。

 仙台の地に、今季年間勝ち点2位の川崎Fから頼もしい戦力が加わる可能性が高まった。中野の元には水面下で複数のクラブが正式オファーを出していたが、この日までに仙台への移籍が濃厚になったという。既に交渉は最終段階に入っている模様だ。

 仙台は今季、総得点39でJ1で10位だった。10得点とチーム最多得点を挙げたFWハモン・ロペスが柏に移籍し、6得点のFWウイルソンも甲府への移籍が決まった。得点に絡む攻撃的選手の補強が急務になっている状況で、J屈指の攻撃力を誇るチームで、得点に絡んできた中野に白羽の矢が立った。

 中野は筑波大を経て15年に川崎Fに加入。大学時代から風間八宏監督の指導を受け、足もとの技術は折り紙付き。ドリブルだけでなく、パスをうまく使いながら相手の逆や裏を取る能力も高い。ルーキーイヤーの昨季は第2ステージ(S)の9月12日の甲府戦でリーグ初先発に抜てきされると、10月4日のG大阪戦で1得点2アシストと爆発し一気に注目を浴びた。リオデジャネイロ五輪の出場はならなかったが、U-23(23歳以下)日本代表候補として代表合宿にも招集されていた。

 今季は15試合に出場。第2ステージは5試合出場にとどまり、不完全燃焼に終わったが、23歳と若く、伸びしろと将来性は十分。年間勝ち点12位からの浮上を目指す仙台にとって、はつらつとした攻撃のアクセントが加わりそうだ。