全国高校サッカー選手権大会が明日30日に開幕する。1回戦の注目カードは、夏の全国高校総体との2冠が懸かる市船橋(千葉)と京都橘の「ほこたて対決」だ。市船橋は、守備陣に3人のJリーグ入団内定者を擁し、京都橘は京都入りする大会注目のストライカー、FW岩崎悠人(3年)を軸に攻撃力を誇る。

 「夏冬連覇」に挑む市船橋が、大会NO・1の呼び声高いFWを封じる。湘南入りするDF杉岡大暉(3年)は、京都橘の岩崎から「杉岡をぶち抜く」と宣戦布告され、闘志を燃やした。「報道で聞きました。1度、公式戦でやりたいと思っていた相手。プロでも対戦する可能性があるし負けたくない。黙ってやられるわけにはいかない」。

 守備陣は鉄壁だ。ボランチにボール奪取力、展開力に優れたG大阪内定のMF高宇洋(こう・たかひろ、3年)、センターバックに杉岡とU-19日本代表で新潟内定のDF原輝綺(3年)をそろえる。総体では、6試合わずか1失点で全国の頂点に立った。

 因縁の相手だ。3人が中学3年だった13年度大会。今回同様「夏冬連覇」に挑んだ市船橋は、準々決勝で京都橘に敗れた。高と杉岡はスタンドで小屋松(来季から京都)の2発に沈められる先輩の姿を目に焼き付けた。高は当時、背番号10をつけていたJ3相模原FW石田と交流があり「リベンジを託す」と、熱い思いをじかに受け取っている。

 昨年度は3回戦で東福岡にPK戦で敗れた。ピッチに立っていた3人は「あの借りは選手権でしか返せない」と誓い、5大会ぶりの優勝を懸けて全国のピッチに戻ってきた。原は「4年前と同じ状況での京都橘戦は運命。夏冬連覇の権利は自分たちしかない。そこは意識はしたい」。高も「3人で絶対に岩崎を止めたい。したたかに、謙虚に戦って勝ちきる」とキッパリ。2冠の懸かる「盾」が、大会屈強の「矛」をはね返す。【岩田千代巳】

 ◆市船橋 1956年(昭31)開校。83年に既存の普通科と商業科に加えて体育科を新設。サッカー部は58年創部。部員数は79人。優勝は総体9度、選手権5度。朝岡隆蔵監督(40)は94年度の選手権初優勝時の主将で、就任1年目の11年度に監督としても優勝。野球、陸上、水泳なども全国レベルで、主な卒業生にスポーツ庁の鈴木大地長官。