鹿島の「三竿ブラザーズ」が初共演した。21日、茨城・鹿嶋市内で今季初めて行われた練習試合で、湘南から新加入した兄のDF雄斗(25)と、昨季加入して2冠に貢献した弟のMF健斗(20)が先発出場した。

 J2東京Vの下部組織所属時にも同じカテゴリーではなかったため、初めて同時にピッチに立った。

 鹿島ユース相手に先制を許し、0-1で折り返したが、FW鈴木優磨(20)の2得点などで逆転し、3-1で勝利した。左サイドバックとしてフル出場した雄斗は「兄弟で一緒にプレーすることは何も思わなかった」と照れ隠し。「親は同じチームでプレーすることを喜んでくれていると思います」と話した。CKのキッカーを務めるなど、正確な左足で存在感は示したが、湘南での3バックから久しぶりの4バックでのプレーだっただけに「3年くらい4バックをやっていないので、絞りすぎちゃったりした」と反省。1年早く鹿島に加入した弟のプレーには「どっしりしていて、安心感がある」と信頼を寄せた。

 ボランチで前半だけ出場した健斗は「あまり意識はしなかったけれど、お互いの良さは分かり合えると思う」と、兄弟プレーの発展を楽しみにした。兄を誘い、食事に出かけることも多く、兄が鹿島になじむための“アシスト”をするなど、ピッチ外での連係も深まっている。

 鹿島は22日からタイ遠征に出発し、31日には宮崎合宿が始まる。健斗は昨季はリーグ戦わずか4試合出場に終わったが、「出られるなら全部出たい」と闘志を燃やす。ボランチはMF小笠原満男(37)、永木亮太(28)に加え、新潟からレオ・シルバ(31)も加入するなどポジション争いは激化。雄斗の左サイドバックも、昨季31試合出場のDF山本脩斗(31)が君臨。次は兄弟での公式戦同時出場に挑む。【鎌田直秀】