4年ぶりの静岡ダービーが今日1日、袋井市のエコパスタジアムで開催される。ジュビロ磐田は、海外の激しいダービーを経験してきた中村俊輔(38)が3月31日、「敬意を持ってプレーする」と決意表明。対戦成績は磐田の22勝5分け17敗。プライドを懸けた戦いは、午後3時に始まる。

 磐田の中村俊は、歴史の重みを感じてピッチに立つ。3月31日、磐田市内の大久保グラウンドでの前日調整に参加。全体練習後にもFKや1対1からのシュートなど、約1時間の自主練習で汗を流した。その後、初の静岡ダービーへ向かう心境を静かな口調で明かした。「今までの先輩たちがつくってきたもの。外から移籍してきたからこそ、敬意を持ってプレーしたい」。

 ダービーを熟知しているからこその言葉だった。中村俊は、横浜M入団1年目の97年に横浜Fとの横浜ダービーに初出場。セリエAレジーナでは「イタリアで最も激しいけんか」と言われたメッシーナとの海峡ダービーに出場した。

 スコットランドのセルティックでは、「世界最古」と称されたレンジャーズとのグラスゴーダービーを経験。08年に初得点した。「確か6試合目だったと思うけど、『やっと決めたな』と言われた。それぐらい(ダービーの得点には)価値がある。レンジャーズの街で、タクシーに乗車拒否をされたこともあった」。

 4年ぶりに復活する静岡ダービーだが、両軍の予想先発メンバーで経験者は計4人(磐田=太田、宮崎、大井、清水=枝村)と少ない。名波浩監督(44)も「新鮮なダービー」と表現した。チケットは前売り段階で約4万1000枚を販売。中村俊は「120%以上の力が出ることもある。『気持ちを前面に出す』。それを表現できた方が勝つと思う」と言った。その背中で、チームを勝利に導く決意だ。【前田和哉】