代表出てこい。ベガルタ仙台は3月31日、今日1日のホーム川崎フロンターレ戦に向けてセットプレーなど最終確認を行った。W杯アジア最終予選による約2週間の中断期間を終えてリーグが再開。渡辺晋監督(43)は、代表ゼロに終わった現状に触れて選手を鼓舞し続けて、前半の正念場、強豪4連戦の初戦を迎えた。4季ぶりに川崎Fを倒し、最高のスタートを切ってみせる。

 日本-タイ戦から一夜明けた3月29日の朝、渡辺監督はミーティングで率直な思いを選手にぶつけた。「『マスコミの方も代表にいろいろと目を向けている。Jリーグが代表を支えている。いよいよ俺らの出番だ。理想を言えば、代表を輩出したい。こういった思いをこのゲーム(川崎F戦)にぶつけよう』と話しました」。選手の顔を見て、思いは伝わったと実感した。

 仙台在籍時に代表に招集された選手は、過去3人しかいない。15年に現清水のGK六反が招集されたのが最後だ。一方、川崎Fは今日の試合のスタメンに、MF中村やMF大島、FW小林ら代表経験者が名を連ねることが予想される。13年8月以来勝利がない相手との一戦を前に、日本代表の話題は奮起材料となった。

 代表戦によってできた“充電期間”も有効活用した。指揮官は「対川崎Fは2週間のトレーニングでしてきたから。今から何か探っても仕方ないので」とにやり。紅白戦で主力組は川崎Fと同じ「4-2-3-1」の布陣を形成するサブ組と対戦し適応してきた。DF石川直樹(31)は相手のショートパスに対し、「アクションを起こして取りに行く」と自信を見せた。この日もセットプレーで、相手が得意なグラウンダーのクロスの対策をした。

 「キラー」たちも準備万全だ。これまで川崎F戦で2得点のMF梁勇基(35)は「点を取りたい思いはある」と決意を語った。同じく、J1通算得点の半分に当たる2得点のMF富田晋伍(30)は「勝つことしか考えていない」と主将らしく意気込む。浦和、鹿島、広島と続くリーグ戦強豪4連戦の初戦を勝ち、突き進む。【秋吉裕介】