J1の第1節、6日の広島-清水で前半3分に広島の佐藤が決めたPKは反スポーツ行為の反則で、得点を認めた岡部拓人主審の誤審だったと、日本サッカー協会の松崎康弘審判委員長が9日、明らかにした。試合は1-1で成立しているため、判定は覆らない。

 この場面では、広島の槙野がペナルティーマークにボールを置き、そのまま後方に下がった。だが主審の笛の後、槙野はペナルティーエリア外に出て、佐藤がペナルティーエリア外から突然現れて左足で決めた。

 競技規則第14条では、「PKを行う競技者は特定されなければならない」と定めている。松崎委員長は、槙野は審判が笛を吹いた時にただ1人、ペナルティーエリア内にいて「誰が見ても槙野がける選手と特定される」と説明。このため、佐藤は「反スポーツ行為で警告になる」と話した。松崎委員長によると、岡部主審は「何かおかしいと思ったが、清水側も何も言わなかったし、不安だったが、得点は認めた」と話したという。

 松崎委員長は岡部主審に今後のJリーグの試合を割り当てず、研修させる考えを示した。

 これを受け、広島の本谷祐一社長は「ルール違反ならその場で判定すべき」と言い、清水の早川巌社長も「ルールブックを理解してやってほしい」と述べた。