将来を嘱望され、欧州へ旅立ってから2年、宇佐美が志半ばで古巣のG大阪への復帰を決めた。今季は欧州王者にも輝いたビッグクラブ、バイエルン・ミュンヘンでは実力不足に終わり、ホッフェンハイムでも目立った成績は残せなかった。

 この4月に戦力外となって以降、獲得に興味を示す欧州クラブもあったようだ。本人の思いも揺れたが「このままでは中途半端になる。ガンバで一から出直したい」と強い決意を示したという。挑戦にひとまず区切りをつけ、J2で再出発だ。

 近年、Jリーグで確たる実績を残す前に欧州へ渡る若手も多いが、そのほとんどが苦戦を強いられている。まずは国内で地歩を固めてからでも遅くはない。

 宇佐美も、まだ21歳。伸び盛りの2年で思うように試合経験を積めなかった損失は大きいが、G大阪の梶居強化本部長は「まだ若いし、やり直しは利く」と話す。逸材と呼ばれた才能を磨き直したい。