ベガルタの「男前ブラザーズ」が、新参チームを倒す。J2仙台のMF関口訓充(22)が11日、次節の岐阜戦(16日)で切れ味鋭いドリブル突破でPKをもらい、FW中島裕希(23)に決めてもらう“プラン”を明かした。8日の開幕湘南戦で敗れたチームを勢いづけるために、関口は「エースFWのゴール」の必要性を唱えた。公私ともに“蜜月”な2人がホットラインを形成し、チームに今季初白星をもたらす。

 自らのドリブルという武器を、チームのため、そして中島のために、関口が最大限に生かす。宮崎キャンプ直前の1月28日以来、約1カ月半ぶりに泉サッカー場で練習したこの日、髪の毛を金色に染めてきた関口が、岐阜戦にかける思いを口にした。「長丁場を戦うリーグ戦の中でチームが次に勝つか負けるかで、だいぶ変わってくる」。次節に「勝ち点3」を奪いに行くのは当然だが、その先を見据えているからこそ「エースのゴール」がほしい。

 具体的プランも思い描いている。関口は「PK取ったらユウキさん(中島)に譲る。FWが点を取ったらチームも落ち着くと思う」とキッパリ。開幕戦で失いかけた自信を取り戻すにはエースFWの得点が一番の特効薬―と判断した。中島の開幕戦の動きを「タイミング的にいい感じでシュートを打てていた」と分析する関口は、1発さえ出れば中島がゴール量産態勢に入ることを確信している。

 「アシストは梁さんに任せて、自分はドリブルで行きたい」と関口。岐阜のDF陣を切り崩し、PKをゲットする腹づもりだ。また流れの中でも「中島―関口ホットライン」でゴールする可能性も十分。普段から昼食をともにし「ブラザー」と呼び合うほど公私とも仲がいい。ピッチでも呼吸はピッタリだ。

 一方、そんな関口の“計らい”を伝え聞いた中島は「ぜひ蹴らしてもらいます。今度こそ点を決めてやる」。かわいい弟分の期待に応えるべく?

 この日、居残りで黙々とシュート練習に汗を流した。イケメン2人組の活躍は、次節のみならず今後のリーグ戦をも左右する。【山崎安昭】