<J2:C大阪1-0岐阜>◇第5節◇29日◇長居

 C大阪が、今季J2に昇格した岐阜に苦戦しながらも1-0で2連勝を飾った。U-23(23歳以下)日本代表のMF香川真司(19)は、アンゴラA代表戦から中1日でフル出場。シュート1本に終わるなど不完全燃焼だった。北京五輪出場を狙うホープが、今後も味わう代表とクラブの両立の難しさ。勝ち点3に満足することなく、新たな試練克服を誓った。首位広島は今節は試合がなく、C大阪は3位に浮上して勝ち点9で2位横浜FCに並んだ。

 勝利の余韻は不満でかき消された。今季初の2連勝にもC大阪MF香川の口からは、まるで負けたかのように反省の言葉ばかりが続く。「もっと意識してシュートしていきたい。シュート数も少なく怖さがなかった」。今季昇格したばかりの岐阜に1-0。決定的ピンチで相手のミスに救われた辛勝を19歳は猛省した。

 代表とクラブの両立の難しさを味わった。北京五輪世代のU-23日本代表に招集され、27日のアンゴラA代表戦(国立)で後半26分から出場。翌28日に東京から大阪に戻り、クラブの練習に直接参加した。中1日で迎えた岐阜戦。「疲れはない。(代表戦は)そんなに出てないので」。言い訳は口にしなくとも体は正直だった。ドリブルで抜けず、シュートも1本。チャンスに絡む本来のプレーが影をひそめた90分間に「中盤で止まっている時間が多かった。運動量が課題」と唇をかんだ。

 アンゴラA代表戦では日本代表岡田監督に「面白いプレーをしていた」と評価された。この日はU-23代表の井原コーチも視察したが、輝きが続かなかった。「特別よかったわけでも悪かったわけでもなかった」とレビークルピ監督も評価は避けた。

 代表の日程をこなし、クラブに戻れば主軸の働きを求められる。代表選手であるがゆえの苦しみ…。将来の日本を背負う19歳の若武者に、今後もつきまとう試練が突きつけられた。「チームあっての代表。C大阪でしっかりやっていきたい」。新たな挑戦に挑む香川は、自分に言い聞かせるようにうなずいた。【西尾雅治】