<J1:浦和0-0大宮>◇第7節◇20日◇埼玉

 日本代表エースの浦和FW高原直泰(28)が、半年間ノーゴールの屈辱を味わった。さいたまダービーとなった20日のホーム大宮戦にスタメン出場。前半39分には相手DF2人を抜いてシュートする個人技で今季初得点を予感させたが、後半14分に途中交代。試合も0-0で引き分けた。これでフランクフルト在籍時となる昨年10月20日のニュルンベルク戦の1得点を最後にちょうど6カ月間、得点ゼロを更新。自己ワースト記録となった高原は自らミスの多さを反省した。

 責任感を背負い、ピッチをあとにした。高原が自らのオフサイド判定を確認していた後半14分、梅崎との交代を告げられた。約5万人のサポーターから拍手をもらったが「もっとプレーをしたかったです」。またもお預けとなった今季初得点。無念の表情を浮かべてベンチに下がった。

 高原にとって「区切り」の一戦だった。大宮戦は昨年10月20日のニュルンベルク戦での得点を最後に公式戦の無得点記録が始まってから、ちょうど6カ月。今月7日、エンゲルス監督に「2週間後」と復活を予言された期限日でもあった。前半39分には相手DF2人抜き去って強烈な左足シュートを放った。相手GKにはじかれたが、豪快な個人技でゴール枠をとらえ、スタジアムをドッと沸かせた。

 高原

 あそこで少しは自分らしさを出せたけど、まだまだ。簡単にボールを失うミスもある。ポストプレーで他選手が上がる時間をつくらないと自分にもチャンスはない。

 右ひざ内側じん帯を負傷しながらも、今季初得点の手応えがあったからこそ、公式戦13試合不発に悔しさも募った。

 各年代の代表戦やカップ戦を含めた公式戦で半年間も無得点がないのは自己ワースト記録だ。ボカ・ジュニアーズ時代の01年9月23日の移籍初得点から磐田復帰した02年3月10日の東京V戦で得点するまでの約5カ月半の無得点が最長だった。

 21日からは代表候補合宿を控える。浦和の藤口社長には「代表でリフレッシュしてほしい」と期待された。「ちょっとしたきっかけで劇的に変わることもある」と高原。半年間ノーゴールの屈辱を糧に辛抱強く復活弾を狙う姿勢をみせていた。【藤中栄二】