<J1:川崎F4-1磐田>◇第11節◇6日◇ヤマハ
3アシスト目を決めた川崎FのMF中村憲剛(27)は、両手の人さし指と中指をベンチに向け突き出した後、「世界のナベアツ」ばりに両手を大きく広げた。「よかった。自分がどうとかじゃなくチームが形を崩さずにできた」。1人だけ次元が違っていた。4試合連続で先制を許したが、前半23分に右FKをMF谷口の頭に合わせ同点弾を導くと、もう止まらなかった。
後半2分には右CKを寺田の頭に合わせ勝ち越しを呼び、同16分にはスルーパスを通しFWジュニーニョのゴールをアシストした。3連勝した前節までは3連続でナイターで、この日は今季のリーグ戦でもっとも早い13時3分開始。環境の変化で調整が難しい中、厳しいマークに遭いつつも意のままにパスを繰り出した。「周りの動きも重く見えたけど、修正してひっくり返せた」と胸を張った。
本調子ではなかった。4月21日から3日間、日本代表合宿が行われた後、同26日の柏戦からこの日まで11日間で4連戦。柏戦後には足の筋肉が固く引きつった。「疲れのことは言う必要ない」とかたくなに否定したが、1、4日は練習を回避し治療に専念。医療スタッフも「めったにないこと」と心配するほどだった。
そんな体を支えているのは、高畠新監督から「攻守に感じて動け」と指示された通り、全員が走るチームの戦う姿だ。「かわされても拾ってくれる。自分だけ走るんじゃない」。関塚前監督の辞任など、相次いだ苦境は乗り越えた。憲剛は6月のW杯アジア予選まで走り続ける。【村上幸将】



