J1清水は17日に川崎Fと対戦(等々力、午後7時)。前節神戸戦(12日)で右ひざを打撲したMF藤本淳吾(24)に代わり、MF兵働昭弘(26)の今季リーグ戦初先発が濃厚となった。今季は甲状腺機能障害の再発で出遅れたが、腐らずチームを支えてきた。頼れる副主将が現在15位のチームをよみがえらせる。

 攻撃の核が欠場となっても、清水には兵働がいる。16日の練習で右ひざにテーピングしていた藤本について、長谷川監督は「明日の状態を見てから」と慎重。藤本も「もし出たら、流れを変えるプレーをしたい」と話すにとどまった。15日も別調整だっただけに藤本はベンチスタートが濃厚で、兵働の今季初先発の可能性が浮上してきた。

 苦しい日々を乗り越えてきた。昨季は30試合に先発も、今季は開幕前に甲状腺機能障害を再発させて長期離脱。「しっかりした状態で復帰しよう」。リハビリ中にはエコノミークラス症候群で02年日韓W杯を棒に振った浦和FW高原の著書も読み「僕もメンタルを鍛えようかな」と刺激を受けた。5月の静岡ダービーで復帰したが、試合勘はすぐには完全に戻らない。6月には左足内転筋も痛めた。

 それでも、心は折れなかった。波に乗りきれないチームを横目にリハビリを積んでいた際、いつも「迷惑をかけて申し訳ないし、悔しい」と唇をかんでいた。状態を戻すことに努めつつ「人一倍声を出そう」と雰囲気づくりにも気を配った。「チームのため」。その思いが兵働を支えてきた。

 中断後に、ようやく臨戦態勢が整った。2日のナビスコ杯準々決勝鹿島戦で今季公式戦初先発し、前節神戸戦でも途中出場から好機を演出。「数値も安定しているし体も切れてきている。ゲーム感覚も戻ってきたのかな」と、復調ぶりを口にした。「(川崎Fは)攻撃的なチーム。でも組織的にうまく守れたら問題ないと思う」。15位と厳しい状況のチームを兵働が攻守で救い、完全復活を遂げる。【浜本卓也】