<J1:川崎F2-1清水>◇第17節◇17日◇等々力

 清水は1-2で川崎Fに逆転負けした。前半15分に、リーグ戦6試合ぶりに先発のFW矢島卓郎(24)が、右足ボレーでリーグ戦今季初得点を決めた。それでも後半に川崎Fの猛攻にあって2失点。逆転を許し2連敗で15位とした。

 眠れるエースが、ついに目覚めた。前半15分。矢島はMF兵働の左クロスを胸トラップして素早く反転。ゴールを視界にとらえると、右足をしならせてボレー。たたきつけられたボールは、ゴールへ。今季リーグ戦出場778分目に訪れた、矢島の同初得点。背番号9の周りには、オレンジの歓喜の輪が広がった。

 ここまで長く、苦しんだ。FW陣の柱と期待されながらリーグ戦では無得点。腰痛と左もも裏痛にも見舞われ、5月6日新潟戦から欠場した。快方に向かわない体に焦ることもあったが「自分の体をもっと考えないと」。立つ、歩くという生活での基本動作ですら、気にしながら行った。入浴時にはお湯と冷水とに交互に入り、体をいたわった。

 取り組みの成果か、復帰すると練習試合で得点を重ね、この日のゴールにつなげた。後半35分に藤本と交代し、チームも敗れたために「できればフル(出場)でやりたかった」と厳しい表情だったが、長谷川監督は「点を取ったのも自信になったと思う」と話した。

 それでも、勝てなかった。FW岡崎がぜんそくで前半で交代。兵働も首を痛めて後半途中に退いた。結果的には逆転を許して2連敗。「勝ちきれない試合が続いている。もっとやれるはず。情けない」と指揮官。トンネルの出口は、まだ見えてこない。【浜本卓也】