<J1:鹿島2-0横浜>◇第18節◇20日◇日産ス

 横浜の純国産イレブンが、百戦錬磨のブラジル人に手玉に取られた。前半11分、中盤に下がって球を受ける元同僚FWマルキーニョスの姿に、横浜守備陣の緊張の糸が切れた。ゴールまで約35メートル。「あの瞬間、あの距離で打ってくれて、正直助かったと思った」と選手たちは振り返る。強引にも映ったマルキーニョスのシュートは、GK秋元の指先をかすめ、ゴール右隅に転がり込んだ。

 日本人選手だけで再起を目指したチームが、03年には横浜に所属し、ともに優勝を味わったブラジル人の前に屈したのは皮肉だ。就任2戦目の木村監督は暑さの中でのスタミナに不安のある、FWロニー、MFロペスを先発から外した。代わりに機動力のあるMF水沼ら若手を前線に据え、今季初めての純国産布陣用。ベテランの多い鹿島に走り勝つことを狙ったが、実際はマルキーニョスの変幻自在の動きに惑わされた。

 先制点だけではなく、前半29分には左サイドで独走を許し、追加点をアシストされた。「2点目が痛かった。あの後もみんな声を出していたけど、勝てる雰囲気が消えてしまった」とある選手。03年シーズン終了後にクラブが構想外のらく印を押した選手に、追撃の意欲をへし折られ、早々に試合の行方は決した。

 後半は元気なMF清水、金井を投入し、動きの落ちた鹿島を攻め立てた。「後半はだいぶ押し込めた」と木村監督も話したが、反撃には遅過ぎた。

 これでクラブワーストのリーグ戦6連敗、9戦未勝利だ。16位でJ2自動降格圏である17位札幌との差は勝ち点2と迫った。監督交代劇も、斬新な新布陣も白星にはつながらず、名門がトンネルの中でもがき苦しんでいる。【塩畑大輔】