<J1:大宮2-1札幌>◇第20節◇9日◇札幌厚別

 コンサドーレ札幌が痛すぎる1敗を“聖地”で喫した。大宮に1-2で逆転負けし、札幌厚別のリーグ戦では06年8月26日のJ2横浜FC戦以来16試合ぶりに白星を献上してしまった。前半2分にFWアンデルソン(30)のPKで先制したが、あと1点が遠かった。フラストレーションのたまる戦いぶりに、試合後は札幌サポーターが大宮サポーターに突っかかる場面もあった。残り14試合、勝ち点16で17位と低迷するチームはJ1残留への正念場を迎えた。

 1-1の同点で迎えた後半11分、札幌ゴールに突進する大宮デニス・マルケスに、DF西沢が体を寄せていった。もつれるように、ペナルティーエリア内で倒れる2人。判定は西沢のファウルで、大宮へのPKだった。

 「なぜだ」。西沢、箕輪が松尾主審に詰め寄ったが、判定が覆るわけもない。自らPKを蹴ったデニス・マルケスの右足シュートを、GK佐藤が一度ははじいたが、こぼれたところを再びゴール左隅に押し込まれた。運のなさにボールをピッチにたたきつけた佐藤は、試合後、「悔しい」と言ったきり、言葉をのみ込んだ。不敗神話を胸に、自信を持って臨んだ厚別での逆転負け。選手の表情は硬かった。

 立ち上がりの攻めは素晴らしかった。出場停止のFWダビの代役アンデルソンが、前半2分のPKを落ち着いて決めた。来日初ゴールで勢いづいたアンデルソンは、その6分後に藤田のクロスを頭で合わせ、ゴールネットを揺らした。だが、判定はオフサイド。大宮の早いリスタートからCKを取られ、バタバタしている間にFWラフリッチに同点ゴールを決められた。

 一気に変わってしまった試合の流れを、札幌は最後まで引き戻せなかった。三浦監督は「前半、内容的には良い立ち上がり。守備も内容的に悪くなかったが」と落胆の色を隠さなかったが、シュート数は大宮13本に対して札幌5本。力負けだった。ふがいない戦いぶりにイライラのたまった札幌サポーターが試合後、大宮サポーターに詰め寄ろうとして静止される一幕もあった。

 残るは14試合。残留の目安とした勝ち点40に届くには、1勝1敗以上のペースで勝ち点を積み上げなければならない。残留請負人としてシーズン途中に加入した箕輪は言った。「やるべきことは分かっているはず。練習から真剣にやらないと結果はでない。自分が率先して準備をしていきたい」。最下位の千葉に勝ち点で並ばれた。残留するには、今、ここが踏ん張りどころだ。【上野耕太郎】