<J1:東京1-0柏>◇第23節◇28日◇柏

 東京DF長友、MF今野の日本代表コンビが柏を完封した。リーグ戦で6戦勝ちがなかった(1分け5敗)柏から04年5月9日以来1572日ぶりの勝利。チームを11位から7位へ浮上させ、30日からの日本代表合宿へ弾みをつけた。長友は「久々に勝って良かった。勝利が遠かったからうれしい」と笑顔。五輪代表の活動があり、長友がチームで勝利したのは5月17日の磐田戦以来103日ぶりだった。

 試合1時間半前から雷雨が激しくなり、ぬかるんだピッチは最悪の状態だった。長友は「みんなはピッチにブーブー言ってたけど、僕には言わせればきれいじゃん、って感じ。W杯予選でも今日のようなピッチはある」。北京五輪で体験したデコボコで滑りやすいピッチに比べれば、苦にならなかった。守備でバランスを取りつつ攻め上がりを抑え、柏のカウンターを封じた。北京五輪初戦(7日)の米国戦では自身のサイドを突破され決勝点を奪われた。「今までで一番悔しい。悔しさは代表で晴らすしかない。情熱と誇りを持って戦う」と宣言した。

 ボランチの今野も梶山とのコンビで柏が得意とするカウンターを封じ込めた。「危ないカウンターもなかった。うまく抑えられた。負けて代表へ行くのとは気分が違う」と9月6日のバーレーン戦へ早くも戦闘モード。ボールを奪ってから前へ攻め上がるシーンも再三見せ、課題だった攻撃面でも成長を印象づけた。

 岡田監督の秘蔵っ子は、25日のメンバー発表会見でW杯予選初戦となるバーレーン戦へ「背水」の言葉を用いた指揮官の覚悟を痛いほど感じている。「選手も大事な試合と分かっている。日本中のプレッシャーを感じている。やるしかないし、勝つしかない」。試合を終えたばかりの今野が目を見開いた。【岡本学】