<J2:熊本2-1鳥栖>◇第36節◇20日◇ベアスタ
鳥栖が昇格戦線生き残りをかけた熊本戦で、J1昇格が遠のく痛い逆転負けを喫した。クラブ史上最多の2万1029人が集まったホームスタジアムを前半30分、MF広瀬浩二(24)の先制ゴールで沸かせたが、熊本の積極攻撃に屈し、岸野靖之監督(50)は事実上の「終戦」を口にした。
最後の笛を聞くと、鳥栖イレブンは全員、ピッチに倒れ込んだ。誰よりも、選手自身が「終戦」を感じ取っていた。熊本戦に向けて「勝ち点がゼロか1なら、昇格も、観客も、すべてをなくす」と話していた岸野監督は、会見で、昇格の可能性を問われると、厳しい表情で答えた。「今の我々の勝ち点や、順位を考えると、僕がすべて終わったと言ってはいけないが、そういうこと」。次節山形戦(23日)を含めて残り8試合の相手は、半分が上位。入れ替え戦進出の3位まで勝ち点差は4だが、直接対決を残すC大阪、仙台は消化試合が1つ少ない状況から出た、指揮官の敗北宣言だった。
アウェー観客席を通常の半分近くに絞り、J参入後初めて2万人を動員した周囲の努力に、勝利で報いることができなかった。主将のMF高橋義希(23)は「それが一番悔しい。初めて見に来た人にも、いつも応援してくれるサポーターにも、本当に申し訳ない」と、歯がゆそうに話した。FW藤田祥史(25)は、詰めの段階で孤立することが多く、5試合連続無得点で「個人として運動量が少なかった。次の試合が近いので、自分らで良い流れに持っていくしかない」と反省。岸野監督も「現実が厳しいからといって、次もだらしない試合をしていい訳ではない」と気合を入れ直す。気温30度を超す猛暑の中で敗れ、秋風ムードが吹き始めた鳥栖だが、無抵抗で冬を迎える訳にはいかない。【佐藤千晶】



