<J1:東京V1-0大宮>◇第29節◇18日◇味スタ
ゴールに向かって斜めに走り込むMFディエゴの動きを見逃さなかった。0-0の後半37分、途中出場した東京VのMF広山望(31)が左足でチップキック。鮮やかな縦パスでディエゴの先制点を生み出した。「あれはディエゴの得意な形。途中出場の選手が活躍していなかったので得点に絡めて良かった」。J1通算150試合出場へ到達したベテランが残留を争うチームに7戦ぶりの勝利をもたらし、16位から14位へ浮上させた。
「自分の活躍をどうしても母に伝えたかった」。広山は試合後、目に涙をためながら言った。シーズン前から入退院を繰り返す和美さんは、がんと壮絶な闘いを続けている。「2日前(16日)でした。死に直面し、意識もはっきりしない中で『負けてもあんたの責任じゃないよ』と母が繰り返していたんです」。都内の病院とグラウンドを往復する毎日が続く中「母を安心させたかった」と和美さんへ勝利をプレゼントした。
今季初めて勝利給が倍額に設定された大宮戦。スタジアム入りする際にはサポーター約200人に応援歌で激励された。広山は「去年(昇格争いで)フロント、サポーターと一体となって1試合1試合勝ってきたあの感覚。忘れていたこの感覚を京都戦(25日)でも出したい」。母のためにも必ずチームを残留させる。【岡本学】



