清水が28日、来月1日のナビスコ杯決勝(国立)に向けて練習を再開した。DF青山直晃(22)がG大阪戦で負傷した右ひざ裏の違和感で別調整。痛みが残っており29日の練習合流も微妙だが、決勝出場へ強い意欲を示した。12年ぶりのナビスコ杯制覇へ、若きセンターバックは闘志を燃やしている。

 タイトル奪取へ向けた青山の決意は、半端ではなかった。G大阪戦でステップを踏んだ際に右ひざ裏に違和感を感じ、27日に検査を受けると、この日は別調整。痛みも残っているようで、今後の練習合流について長谷川監督は「明日は状態を見て、やれそうなら。大丈夫という話は聞いているが、あとは本人の状態次第」と慎重だった。だが、青山ははっきり言った。「何が何でも(決勝は)出たいとは思います」。

 国立には苦い思い出がある。05年度天皇杯決勝の舞台に1年目終盤でレギュラーをつかんで先発出場した。「無我夢中で、試合全部が決勝のつもりでやっていた」。1-2で敗れ、浦和が優勝の喜びを爆発させるのを目の当たりにした。「(優勝して喜ぶ姿を)見ないといけない。あれは嫌。味わいたくない。2位なのに屈辱を与えられる」。

 あれから約3年。自分のプレーに迷いが生じた時もあった。北京五輪メンバーから最後に落選するなど、つらい思いもした。そのすべてを、乗り越えてきた。「まだまだですけど、自信もついてきたし、戦うこともできるようになってきた。サッカーを楽しめています」と笑った。

 だからこそ、決勝の舞台に立ちたい思いは強い。患部を温めては冷やしてを繰り返し、超音波治療などで回復を図る。「1試合で運命も変わる。最後は笑いたい。負けるとまた悔しい思いが1年間残る。それでも成長できるのかもしれないけど…やっぱり笑いたいな」。チームのため、自分のため、青山は決勝の舞台に立つため、歯を食いしばっていく。【浜本卓也】