<ナビスコ杯:大分2-0清水>◇決勝◇1日◇東京・国立競技場◇4万4723人

 清水DF高木和道(27)が男泣きした。ナビスコ杯決勝で大分に0-2で敗れ、優勝を逃した。今季から主将に就任し、岡田ジャパンにも選出されるなど、チームをけん引してきた。決勝の国立の舞台では、DFながらシュートを放つなど積極的に攻撃参加。96年に初優勝して以来12年ぶりVを目指したが、チームはリズムをつくり出せないまま先制点を奪えず、後半に2失点を喫し涙をのんだ。

 自然と涙があふれてきた。高木和は受け取った準Vカップと銀メダルをピッチ上に置くと、フードで顔を覆いながら泣きじゃくった。「考える前に泣いていた。最後のところでスキが出た。個人的にもチームとしても、どうしても取りたいタイトルだった」。今季から就任した主将としての責任感が、自身の感情を一層ふるわせた。

 この日一番の絶好機は自身が放ったシュートだった。前半26分、MF兵働の右CKを、中央でFW原と相手DFが競ったボールが、目の前にこぼれてきた。待ち構えていた後方から、力いっぱい振り抜いた右足シュートは、ミートできずにわずかに左にそれた。狙い通りのシチュエーションだった。「あそこで決めていれば違った流れになったのかも。決められず残念」と悔しがった。

 今年4月に初めて岡田ジャパンに招集。DF闘莉王やDF中沢らから刺激を受けた。「ライバルに勝つためには点を取らないといけない」。188センチの身長を生かしたヘディングだけでなく、これまでやらなかった足でのシュートも居残りで練習。この日は得点できなかったが、代表としての自覚が自身を奮い立たせていた。

 先制弾を許し、MVPに輝いたFW高松のヒーローインタビューだけは立って見つめた。「大分さんが優勝カップをもらうところは目の中に焼き付けた。次はうれしいときだけ泣きたい」。清水にタイトルをもたらし、今度はうれし涙を流してみせる。【栗田成芳】