J2山形が「貝」になる。勝てばJ1昇格が決まる30日のアウェー愛媛戦(ニンスタ)に向けて、クラブは29日の前日練習を非公開にし、練習後の取材もシャットアウトする。過去にも非公開練習はあったが、小林伸二監督(48)が取材に応じないケースは初めて。チームに広がる緊張を和らげプレーに集中させるため、指揮官自ら厳戒態勢の先頭に立って、決定目前の昇格ムードから選手を守る。
一般的には情報漏えい対策として実施される非公開練習だが、小林監督の意図は違った。選手のメンタル面に配慮して、カーテンを引く。小林監督は「やっぱり、選手は見られることに慣れてない。自分は選手の緊張を敏感に感じる方。落ち着かない選手たちを、何とか練習に集中させたかった」と説明した。
引き分けに終わった23日の熊本戦では、昇格を期待する周囲の過熱ぶりが、イレブンの感覚を狂わせた。小林監督は「選手の調子は良かったんだけど(サポーターや取材陣が殺到した)熊本戦前日の練習から、何かがおかしくなった。硬く単調になった原因」と分析し、対策の手を打った。
非公開練習自体は珍しくないが、今回は監督も取材に応じない異例のケース。今までは練習を公開しない代わりに必ず小林監督が取材に応じていたが、昇格争いの大詰めとあって今季初めてノーコメントを貫く。クラブ関係者は「チーム全員が同じ行動を取ることで一体感を高めたいから」と監督の意図を代弁した。
選手は非公開練習後、空路で決戦の地、松山に入る。「昇格をかけた試合は2回目。今度はプレッシャーを力に変えてくれるでしょう」と小林監督。非公開練習で平常心を取り戻せば、イレブンは結果を出すと信じている。【木下淳】



