左サイドバックの「番人」が、驚異の回復力で戻ってくる。今季絶望と思われたJ2仙台MF田村直也(24)が、30日の鳥栖戦で先発出場することが濃厚となった。10月4日甲府戦で、右ひざ後十字靱帯(じんたい)を損傷し全治3カ月と診断されたが“最後の切り札”として復帰する。昇格戦線の重圧で選手に硬さが目立つ中、手倉森監督は田村の強心臓ぶりに期待。左サイドからの侵入を、奇跡の復帰を果たす男が阻止する。

 25日の練習から全体合流を果たしたばかりの田村に、いきなり出番がやってくる。この日の紅白戦で主力組の左サイドバックに入り、闘志むき出しで相手からボールを奪いまくった。リーグ戦4試合を含め約2カ月間、実戦から遠ざかっている田村は「あいだが開いていたので『キレとかどうかな』と思っていたけど、大丈夫だった」と、自身のプレーに納得した。

 入れ替え戦(12月10、13日)に間に合えば-。そんな思いで田村は、復帰の照準を定めてきた。別メニュー調整中にも「焦らず早く(復帰の)準備する。リーグ戦中に全体合流できれば、入れ替え戦で出番があるはず」とリハビリに懸命だった。今季、初めて開幕スタメン出場を果たすと、累積警告と故障での欠場以外、35戦に先発。2年目でつかんだ主力の座を明け渡すまい、という負けん気も早期復帰を促進した。

 手倉森監督は「田村には、タフに戦うメンタルと体がある。守備のいいプレーヤーが今節帰ってくるのは、チームの力になる」と期待を口にした。大一番での復帰に田村は「間に合って良かった。ひざの状態は9割だけど、びびったら出る資格はない」と気合十分。緊張とは無縁の田村の脳裏には、完封勝利で3位以内確定-のイメージが描かれている。【山崎安昭】