鹿島DF岩政大樹(26)が偉大な先輩と肩を並べて、チームを2連覇へ導く。現在リーグ戦通算19得点で優勝に王手のかかる6日のアウェー札幌戦は、大台の20得点到達のチャンス。OBのDF秋田豊(現京都コーチ)が鹿島在籍時に記録した20得点はクラブのDF得点記録でもある。セットプレーにもろい相手から節目の1点を奪い、優勝の美酒に酔う。
岩政の目には、はっきりと先輩秋田の背中が映っている。2日の調整は主にゲーム感覚のメニューで笑みも絶えなかったが、気の緩みはなかった。鹿島在籍5年目で現在19得点。あと1得点で秋田が鹿島在籍時の11年間でマークした20得点に並ぶことを知ると、よどみなく答えた。
岩政
秋田さんを超えようとは思わない。でも周りの人は「背番号3」といえば、秋田さんのイメージがある。それを少しでも自分のものにしていくために、秋田さんの持つ数字を少しずつ塗り替えることは目標にしている
秋田が戦力外通告を受けたのが03年。岩政は入れ替わるように04年に加入した。ともにヘッドが武器の大型センターバック。岩政も06年から秋田色に染まっている背番号3をつけた。後継者として比較されることも多い。「入団前から周りに言われていたし、それを覚悟して鹿島に入った」。時間をかけて色を染め変えていった。
11月29日の磐田戦で劇的なロスタイム弾。札幌戦も「チャンスがあれば枠を狙いたい」と言う。得点のにおいがする。札幌は69失点中、14失点がセットプレー。「(札幌)三浦監督も『セットプレーが課題』とよくコメントしている」。岩政は連続得点の傾向がある。昨年のDF史上初の4試合連続得点を含む通算3回も連続得点を決めている。
今季は初の日本代表招集も出場機会はなく、左足首痛にも苦しんだ。だがベストイレブンに輝き2冠の原動力となった昨年よりも「今年の方が僕的には好きなシーズン。いろんなことを経験したし、DFはあまり目立たない方がいい。気が付いたら活躍しているな、ぐらいでいい」と充実感を感じている。優勝のかかる一戦で、秋田のような存在感をさりげなく解き放つ。【広重竜太郎】



