「ACL男」の出番だ。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)が10日、開幕する。昨季王者G大阪はホームの山東(中国)戦を前に9日、最終調整を行い、FW山崎雅人(27)の先発出場が確実となった。7日のリーグ開幕千葉戦でゴールを決めた韓国人FWチョ・ジェジンを差し置いての抜てき。昨季ACLは12試合5得点、クラブW杯も含めて国際試合15試合7発の男が出陣する。

 2連覇を狙う開幕戦で、出番が来た。小雨降る万博練習場で、ピッチ半分を使った紅白戦。先発組のFWに山崎が抜てきされた。レアンドロと2トップを組んでゴールも決め、準備OKをアピールした。「勝つために仕事をすること」と言葉に力がこもった。

 3-0と快勝したリーグ開幕・千葉戦から、先発が4人も入れ替わる。中でも、山崎はゴールを決めたチョ・ジェジンに代わってピッチに立つ。昨季ACLで12戦5発。絶対的な実績に、西野監督の信頼は厚い。それでも「ここで結果を出さなかったら、ほんまに外されてしまうかもしれへん」と危機感いっぱいだ。

 レギュラー定着への最短距離は、ゴールを奪うことだ。しかし、ライバルひしめくFW陣で生き残るには、それだけでは足りない。山崎は“フォア・ザ・チーム”の原点に返る。「前線から守備をするのも、自分の持ち味やと思う。監督はそこも見てるはず。あまり“オレがオレが”になって、バランスを崩してもダメ」。守備を怠らず、機を見て得点を狙う。山崎の素早い動きに慣れていない海外チームをかく乱する。

 山東とは、横浜に所属していた05年のACL1次リーグで対戦、山崎は途中出場して、0-1と敗れた。「大きい選手が多くて、気性が荒い。相手がデカイんで、裏のスペースを突きたい」と息巻いた。4年越しのリベンジを果たし、レギュラーの座もつかみとる。【北村泰彦】