<J1:磐田1-1浦和>◇第3節◇21日◇エコパ

 磐田GK川口能活(33)が、執念のスーパーセーブで存在感を示した。開幕2連敗で迎えたホームの浦和戦で、顔面でシュートを防ぐなど最少失点に抑え、チームに今季初の勝ち点をもたらした。開幕から2試合で10失点と奮わず、28日のW杯アジア最終予選バーレーン戦の日本代表メンバーからは落選したが、スタンドで日本代表の加藤GKコーチ(51)が見守る中、好セーブを連発して男の意地を見せた。

 執念の顔面ブロックだった。1-1で迎えた後半29分、川口が浦和FW高原の技あり右アウトサイドボレーを川口は顔面で防いだ。その距離わずか2メートルで、同点弾で勢いづいた相手の猛攻を断ち切るようなスーパーセーブ。「得意の顔面。痛み?

 アドレナリンが出ているからまったくない。試合をしていない状況だったら痛いかもしれないけど」と、不敵に笑った。

 19日に発表された岡田監督のバーレーン戦メンバーリストに名前はなかった。常に日の丸の重圧を背負いながら、けが以外の理由での落選は約4年4カ月ぶり。だが、気落ちはしていなかった。「常に代表の重圧の中で戦い続けてきた。それがなくなって開き直れた」。本来の果敢な川口のスタイルを取り戻した。

 1月のアジア杯予選のバーレーン戦直前に、右ふくらはぎ肉離れを起こし離脱した。リーグの開幕戦に間に合わせたものの試合勘までは戻らず、前節G大阪戦ではFWレアンドロの無回転シュートを痛恨のミスキャッチ。「自分らしさは影を潜めていた。本来の自分の躍動感を戻すため、アグレッシブに行く動きで、存在感を示すことが自分のスタイル」。後半35分には猛然と飛び出し、ペナルティーエリア外から頭でクリアするなど原点に戻った。積極的に動くことでリズムを取り戻し「この試合で、やっと開幕を迎えることができた」と笑みを浮かべた。

 川口の活躍で開幕2連敗で10失点を喫したチームも、立ち直りつつある。それでも川口は言う。「まだ今のチーム力に余裕なんてものはない。狂った歯車を取り戻すために奮起しないと。(失点をしても)運がなかったでは済ませてはいけない」。熱い川口節も戻ってきた。【栗田成芳】