浦和と海外強豪クラブが親善試合で対戦する「さいたまシティカップ2009」の開催が白紙になっていることが15日、分かった。03年以降、さいたま市の主催で毎年6~7月に埼玉スタジアムで行われ、今年は8月6日に浦和とスペインのバルセロナが対戦する予定だった。だが、新型インフルエンザの世界規模での流行により交渉が難航。同市では延期か、最悪の場合は中止も想定しており、週明けの18日にも、今後の方針を決定する予定だ。

 シティカップは、地域振興とサッカー文化の普及を目的に03年から開催し、今年で7回目。過去にはC・ロナウドを擁するマンチェスターUやインテル、バイエルンなど欧州トップレベルのクラブを招聘(しょうへい)してきた。対戦する浦和にとっても国際経験を積む貴重な強化試合で、国内外の人気チームの対決にファンの注目度も高い。

 関係者によるとさいたま市では当初、メッシら世界的なスターをそろえるバルセロナと交渉を重ねていたが、同クラブが米国遠征を優先したため、招聘を断念。さらに、他の欧州クラブとの再交渉を予定していた矢先に、新型インフルエンザの問題が浮上した。同市では警戒対策本部を設置し、厚労省や保健所と連絡を密にしてシティカップ開催についても再検討。8月の段階で沈静化する保証もなく、さいたま市関係者は「なるべく中止は避けたいし、延期もあり得る」としながらも「市の事業なので(インフルエンザが)今後どのような状況になるか分からない中で、最悪の事態も想定しなければならない。現段階では他クラブと交渉する以前の問題」と困難な状況を明かした。

 市側は週明けにも、今年の開催可否について方針を決定する予定。延期もしくは中止となれば初めてで、浦和も短期合宿実施などスケジュールを変更する可能性がある。