王座奪回を狙う浦和が、新戦力発掘と育成のため、トップチームと下部組織(アカデミー)を「部分融合」させることが7日、分かった。堀監督率いる高校年代のユースチームから数選手をリストアップし、8月中旬から毎週1~2日間、トップチームに合流させる。当面は練習生扱いとなるが、直接指導するフィンケ監督から評価されれば、今季中にJデビューする可能性もある。

 浦和は今季、アカデミー出身のDF永田、浜田、MF山田直、高橋、FW原口がトップ昇格し、即戦力としてJ公式戦で活躍。潜在能力に加えて、ユース時代からトップ登録で公式戦に出場するなど、経験を積んでいたことが奏功した。関係者は「第2の山田直や原口が現れてくれれば。トップとアカデミーの連携が強まれば、新戦力の育成面で幅が広がる」と期待する。

 浦和は今月1日から、クラブの組織図を変更。ユースと中学年代のジュニアユースが、トップチーム強化の総責任者である信藤チームダイレクターの直轄部門となった。現有戦力で世代交代を進めるフィンケ監督にとっても、トップの戦術や練習内容を理解した生え抜き選手が増えれば、戦力補強のめども立てやすい。若い力の加入が競争意識を高め、トップチームを活性化させることもできる。

 クラブ側は今季から本拠地の埼玉スタジアムにアカデミー選手専用の観覧席を設置。トップの公式戦を体感させ、将来のプロ入りへのイメージを高めてもらう試みを始めている。下部組織所属の10代96選手の中から超新星が現れ、リーグ終盤の優勝争いで浦和の秘密兵器になるかもしれない。