<J1:清水5-1磐田>◇第23節◇22日◇アウスタ

 日本代表の岡田監督が観戦した「静岡ダービー」で、清水のFW岡崎慎司(23)と磐田のFW前田遼一(27)がともに1ゴールを奪い、得点ランクのトップに浮上した。試合は清水が磐田に大勝し、ホームでの連続不敗記録を19試合に伸ばした。

 清水のゴールラッシュの最後を締めたのは、やっぱりエースだった。後半30分、岡崎はDF岩下からのロングボールに反応し、DFラインの背後を奪うとドリブルで一気にゴール前まで迫った。右足を振り抜くと、ボールは相手GK川口の股間(こかん)を抜き、ゴールネットに突き刺さった。「みんながつくってくれたチャンスを外していた。最後に決められてよかった」と、チーム最多の6本のシュートで、なんとか1点を奪い、安堵(あんど)の表情で振り返った。

 ホームの公式戦で6試合連発となるゴールで今季12得点目をマーク。得点ランクのトップに再浮上した。「ここから、くらいついていけるか。得点王は日本人が取らないとダメ。外国人に負けるということは、W杯でも勝てない」。来年の南アフリカW杯を常に意識する日本代表のエースが、2戦ぶりのゴールで外国人FWの独走に待ったをかけた。視察に訪れた日本代表岡田監督も「ビデオで全試合をチェックしているけど、どんどん調子を上げていくから楽しみだね」と、目を細めた。

 9月の日本代表オランダ遠征で、カターニャFW森本との再会を心待ちにしている。森本とは、昨夏の北京五輪1次リーグ最終戦のオランダ戦直後のドーピング検査室で「クラブに帰ってから点を取りまくろうな」と、誓い合った仲。「あいつはマイペースだけど、お互いに裏に抜けるタイプ。イタリアで点も取って活躍してるし、また一緒にプレーできるのが楽しみ」と、タッグ再結成へ、イメージを膨らませている。

 チームは5ゴールで静岡ダービーに圧勝し、7、8月の8試合はJクラブ唯一の無敗(5勝3分け)で暫定3位に浮上した。その快進撃の中心には間違いなく岡崎がいる。【為田聡史】