<J2:札幌1-1水戸>◇第37節◇2日◇札幌厚別

 J2札幌がほしかった勝ち点3を逃した。後半6分にMF西大伍(22)のゴールで先制するも、同18分に追い付かれた。6戦負けなしとはしたものの、上位追撃を狙う9月の初戦、主導権を奪いながら1-1の引き分けに終わった。決定機での不可解な判定などはあったものの、追加点を奪うまでには至らず、勝ち点1を上積みするにとどまり、昇格圏との勝ち点差16を縮められなかった。

 負けはしなかった。ただ勝ち切れなかった。試合後の選手の笑顔なき姿が、胸の内をすべて表していた。DF石川は「もったいない。勝たなければいけない試合だった」と悔しさをあらわにした。序盤から主導権を握り続け、後半6分に西のゴールで先制と理想的な展開も、追加点を奪えない。同18分に水戸のこの試合最初といえる決定機に追い付かれ、勝ち点1しか手にできなかった。

 石崎信弘監督(51)は「イージーなミスが出てしまうのは、まだまだ甘いということ」と口にした。失点はDF陣が浮き球の処理を見合う形になったことから喫したもの。指揮官は「ああいうシーンは何度も見てきたが、改善できていないということは意識が足りないということ」と苦言を呈した。6戦負けなしとはしたものの、納得する要素は少なかった。

 上位追撃へ、勢いづけたい一戦だった。昇格圏の3位との勝ち点差は16。9月の巻き返しへ、勝ち点3を積み上げることが不可欠だった。5位につけ、同じく昇格を視野に入れる水戸から勝ちを奪えれば、確実に勢いはつけられる。しかしあと一歩が足りなかった。

 “不運”もあった。1-1の後半20分、FWキリノがペナルティーエリアにドリブルで突入した際、相手GKに背後からつかまれるような場面があった。キリノ自身、「つかまれているような感じがあった」と話すもホイッスルが鳴ることはなく、ロスタイムにも微妙な接触シーンがあった。「日本協会は『簡単に倒れるな』と言うが、うちの選手は倒れなかった。それが服を引っ張った方がやり得の形で終わってしまった」。石崎監督が、普段はしない批判めいたコメントを漏らすほど微妙なプレーも、少なからず勝敗に影響したのは確かだった。

 残りは14試合しかない。「負けない」ではなく「勝たなければ」、1年でのJ1復帰の目標は果たせない。引き分けの結果に西は「もったいないかなというのはあるが、前向きにとらえたい」と次を見据えた。その言葉を全員で体現していくしかない。【砂田秀人】