<J1:山形1-0神戸>◇第29節◇17日◇NDスタ

 山形が59日ぶりのホーム勝利で、7週間も“定留”したJ1残留ラインぎりぎりの15位から13位に浮上した。前半40分、FW古橋達弥(28)の4試合ぶりゴールで先制。神戸の猛攻を体を張ってしのぎ、1-0の完封勝利を挙げた。17日、16位の柏が東京に敗れたため、降格ライン(16位)との勝ち点差を7に広げた。

 我慢の日々が長かった分だけ、選手もサポーターも喜びを爆発させた。ピッチで恥じらうことなくイレブンが、両腕を突き上げ絶叫する。ベンチでは小林監督が、ガッツポーズを繰り返す。8月19日の東京戦以来のホーム戦勝利。なりふり構わず、気持ちを前面に出した結果だった。

 「勝って順位を変えるぞ」。試合前のミーティングで、小林監督の声が響く。闘魂注入に応えたのが、古橋だ。前半40分、MF宮沢のゴール前への左クロスを、頭で流して先制点。「入る感触がなかったけど(ゴールに)吸い込まれた」と不思議がる一方で「ここまできたら強い気持ちが大事」と、経験豊富な男はクールに笑った。

 後半は、日本代表FW大久保を中心とした神戸の猛攻にあう。チグハグなプレーもあった。だが激しいプレーで、球際だけは負けなかった。3日の大分戦のように受け身にならないように、交代カードにも指揮官のメッセージが込められた。残り10分で、あえて攻撃的なFW財前を投入。指揮官は「(精神的に)最後まで守りに入らないでくれた」と、意図をくみ取ったイレブンをたたえた。

 8月30日から座り続けた15位から浮上し、降格ラインとの勝ち点差も7に広げた。指揮官は「数字としては(降格圏内のクラブに)プレッシャーを与えられるけど(リーグ戦は)終わっていない」と引き締める。今季7得点の古橋も「得点を重ねて2ケタを狙う。あれこれ考えず目の前の選手とガチンコ勝負するだけ」と気合十分。経験や技量不足を補う気迫を武器に、安息の日まで突っ走る。【山崎安昭】