<J1:川崎F7-0広島>◇第30節◇25日◇等々力

 川崎Fがクラブ最多に並ぶ大量7ゴールで7-0と広島に大勝し、首位を守った。前半18分、FWジュニーニョ(32)のゴールで先制。後半は16分のFW鄭大世(25)のゴールを皮切りに怒とうの6連発。17日の大宮戦で、PKキッカーをめぐって険悪なムードになった2トップが活躍し、残り4試合となったリーグの初制覇へ前進。11月3日のナビスコ杯決勝・東京戦(国立)にもはずみをつけた。

 バンザイするように走り回り先制弾を喜ぶジュニーニョを、鄭は抱きしめた。PKキッカーをめぐり争った大宮戦から8日。「この試合で仲直りしたかった」。心の中にわずかに残っていたしこりが解けた2人の姿に、水色に染まったスタンドも「雪解け」を感じ取り沸き上がった。

 得点王を争う2人の間には亀裂が入っていた。大宮戦の前半36分にPKキッカーをめぐり、FW鄭と、その前のPKを外したジュニーニョが対立。関塚監督は後日、ジュニーニョがキッカーの1番手だと選手に伝えた。関塚監督、ジュニーニョと鄭の「三者会談」で話し合い、「助っ人のプライドを傷つけたのがオレの罪」(鄭)などとお互い反省の意を示したが、どこかギクシャクしていた。

 そんな雰囲気がガラッと変わった。後半16分、鄭が2点目を決めてジュニーニョが祝福すると、それが怒とうのゴールラッシュの「発火点」となった。1発、また1発…ネットが揺れるたびに、優勝したかのようなサポーターの青い波が、スタンドでうねった。後半25分からの22分間で5連発。「長い間、こんな試合はなかったよ」。ロスタイムに2点目を決めたジュニーニョは、目を見開いた。

 試合後、26日に49歳の誕生日を迎える関塚監督がお立ち台であいさつすると、鄭ら選手がケーキをぶつけて手荒に祝福した。ロッカー室に帰った鄭が「これで仲直りしよう」と言うと、ジュニーニョも「当たり前じゃないか」とうなずいた。2トップの和解こそ最高の誕生日プレゼントだ。

 7発には苦い思い出がある。2年前の10月28日の東京戦で7-0と大勝しながら、同11月3日のナビスコ杯決勝でG大阪に0-1で負けた。「浮かれるな。みんな足元を見てやっていこう」。鄭の大きな声がイレブンの背に響いた。【村上幸将】