<J1:名古屋3-3磐田>◇第30節◇25日◇豊田ス

 磐田のFW前田遼一(28)が自身3度目のハットトリックを達成して得点王争いの単独トップとなり、02年のFW高原(当時磐田)以来となる日本人得点王へ前進した。前半31分、スルーパスで抜け出すと右サイドの角度のない位置から右足で先制ゴール。同39分にはゴール正面からのミドルシュートがGKの頭上を越えた。後半3分には西のクロスに頭で合わせて今季18得点。ちょうど磐田通算1000ゴールのおまけもついたが、「まわりがよく見てくれて、生かされた感じ」と、謙遜(けんそん)した。

 エースの自覚が、結果に結びついた。前節鹿島戦ではスコアレスドロー。「自分の力がないから」と責任を感じていた。この日はチャンスがあれば、シュートを狙い、7本を打ち込んだ。「チームが勝つために自分が決める」。そんな意識をゴールにつなげた。

 チームは3-0から3失点してドローに終わり、「うれしさもどっかにいっちゃいました」。だが、06年の15点を更新するシーズン自己最多の18点で、得点王が現実味を帯びてきた。森本(カターニャ)らが台頭する中、来年のW杯代表入りにも、強烈なアピールとなった。【栗田成芳】