横浜にはチームの内乱が必要?

 27日、横浜市のマリノスタウンで練習を終えた木村浩吉監督(48)が、10位と低迷する現状について語った。「特別にいいチーム状態ではないが、悪いわけでもない。今季はずっと、こんなモヤモヤした感じが続いている」。連敗はないが、連勝も2度だけ。引き分けは11試合。1度も波に乗れぬまま、シーズン終盤を迎えている。

 「今季は育成の意味もあり日本人選手を中心に戦い、意思疎通もできているから、ゴタゴタもなくチームの和は素晴らしい。でも、ゴタゴタが起爆剤になることもあるよな」。最近でも、川崎Fのジュニーニョと鄭がPKキッカーをめぐって対立したが、次節で2人が大量7得点を奪う原動力となった。確かに今の横浜には、強烈な個性を発揮する「暴れん坊」はいない。同監督は「もめ事を望むわけじゃないけど」と言いながら、起爆剤の必要性を痛感していた。

 天皇杯含め試合は残っているが、フロントは本格的に来季の体制を検討し始めた。3年契約の1年目ながら、木村監督の去就も議題となる。嘉悦社長代行は「今の順位で満足していいクラブではない」と明言し、強豪復活を狙う。内乱はともかく、来季に向け「現状打破」がクラブのテーマとなる。【飯島智則】