<天皇杯:磐田3-1鹿屋体大>◇10月31日◇3回戦◇ヤマハ

 磐田が鹿屋体大を延長戦の末、3-1で突き放した。GK吉原慎也(31)が、負傷した八田直樹(23)に代わって延長戦から移籍後公式戦初出場。「親友」のFWイ・グノ(24)から1ゴール1アシストのプレゼントを贈られた。

 最高の「ハロウィーン」の贈り物だった。1-1で突入した延長開始と同時にGK吉原が「磐田デビュー」。わずか1分で、FWイ・グノはMF村井からの左クロスを左足で流し込んだ。吉原にとって、川崎Fでの昨年6月のナビスコ杯千葉戦以来510日ぶりの公式戦出場。イは「慎也(吉原)と一緒に試合に出るのは初めて。決めたかった」と照れくさそうに笑った。

 イは韓国語を話せる吉原を頼れる先輩として慕ってきた。吉原は、入団直後から驚異的な活躍を見せたイをメンタル面で支えてきた。5月にイがフランスのパリSGから獲得オファーを受け、一時磐田を退団した時のことだ。移籍寸前で交渉が暗礁に乗り上げて、再び磐田からオファーを受けた。夢を追い続けるか、恥をしのんで磐田に戻るか迷うイに、吉原から国際電話がかかってきた。「お前の本当にやりたいことは何だ?」。イは「磐田のみんなともう1度サッカーがしたい」と復帰を決断した。

 今季も残りわずかとなり「2人でピッチに立つのは、もう無理かもね」と2人で話をしていた直後だった。「まさかこんな形で出番がくるとは…」と驚いた吉原は、ベテランらしく冷静に30分を抑え切った。イは「延長の前に『楽しくやろう』と話していた。その通りできてよかった」と満足げに話した。【栗田成芳】