次はJの頂点だ!

 アジア連盟(AFC)年間最優秀選手(MVP)に輝いたG大阪MF遠藤保仁(29)が大一番へ、25日に帰国即始動した。クアラルンプールの受賞式から関西国際空港に着くとそのまま大阪・万博練習場へ。勝てばJ1制覇に「逆王手」をかける可能性がある首位鹿島戦(28日、アウェー)に向け、たった1人で調整した。残り2節、3強が勝ち点3差内にひしめく終盤戦でアジア・ナンバーワン選手の力を見せつける。

 みなぎる闘志が、遠藤の体を動かした。クアラルンプールから昼すぎに帰国すると練習場に直行。既に全体練習は終わっていたが、ジャージーに着替えて夕暮れのグラウンドを走り始めた。日本代表の海外遠征から帰国しても、その日はノンビリ。「マイペース調整」が持ち味の男が、勝負の鹿島戦へ、約1時間半みっちりと動いた。

 「素晴らしい賞をもらった。せっかくもらったのだから、MVPだけで終わらせたくない。リーグ戦と天皇杯、タイトルを取っていい年にして終わりたい」。

 鹿島戦に勝ち、同時進行で2位川崎Fが新潟に引き分け以下に終われば、リーグ制覇に王手がかかる。最大勝ち点19差からの「奇跡」は手の届くところに来た。前夜は表彰式会場から空港に直行、上海経由で約12時間かけて関西空港へ。練習場まで大渋滞に巻き込まれ、2時間近くかかった。ほとんど眠れなかったが、体は自然と動いた。

 「試合の日にはベストにもっていく。これ(トロフィー)に恥じないようにしないといけない」。

 日本人のAFC年間MVPは02年小野伸二以来4人目。アジアの頂点に立った遠藤が、今度はJの頂点をとる。【益子浩一】