<J1山形練習試合>◇11日◇長崎・島原市営陸上競技場◇2試合

 期待の新加入ストライカーが、いきなりの「1発回答」だ。J1山形FW田代有三(27)が、今年最初の練習試合・J2北九州戦でチームにとっても10年1号となる、初得点を決めた。前半18分、相手のマークを振り切り左足で先制。試合は1-1で終わったが、先発確保へ猛アピールした。2戦目のJFL・V長崎戦はFW古橋、北村らの得点で3-1の勝利。先発FW争いが、さらに過熱しそうだ。

 格下相手でも、田代はチームの「今季初ゴール」を素直に喜んだ。前半18分、ペナルティーエリアのやや外でFW伊東からパスを受けると、相手2人を引き連れたままエリア内に突入。強引に左足を振り切り、ゴールネットに突き刺した。「狙い通り動けた」と満足そうな表情を浮かべた。

 練習試合で日替わりメンバーを組み、先発争いをさせている小林監督の目にも、田代の迫力満点のプレーが焼きついた。「うちになかった空中戦、強さというのが加わった」と目を細める指揮官。相手に囲まれてもボールをキープし、ハイボールの競り合いも、ことごとく制した田代の頼もしさに「攻撃のバリエーションが増えそう。去年とは少し(戦い方が)変わるかな」と上機嫌だ。

 「FWだから結果(=得点)が求められる」と口癖のように話す田代。この試合で、不可解なオフサイドの判定で幻のゴールに終わった場面もあった。先発の座奪取へ必死なだけに、これには「絶対、オフサイドじゃない」とムキになった。王者鹿島からの移籍とはいえ、先発の「約束手形」はない。「ゴールに向かう動きをたくさんして、ボールを要求し続けていきたい。続けて得点したい」という背番号10が、サバイバルレースの勝者を目指す。【山崎安昭】