<J1:仙台2-1鹿島>◇第5節◇4日◇宮城スタ
再昇格したばかりの仙台が、3連覇中の鹿島から2-1の金星を挙げた。前半開始16秒、FW起用されたMFフェルナンジーニョ(29)が電光石火の先制弾をゲット。さらに後半16分、MF梁勇基(28)のパスを受けて追加点を奪い、王者食いに貢献した。ホーム連続不敗記録も「25」に伸ばし、暫定3位に浮上。J1で台風の目になっている。
ストライカーにだけ、見える世界があった。開始16秒、MF梁が左足で放ったミドルシュートがクロスバーにはね返される。本来はボールに詰めるべきフェルナンジーニョは「勘としか言えないけど、相手のクリアが小さい気がしたから待っていた」。言葉通り、クリアミスで転がってきたボールをゴール前で拾い、右足を振り抜いた。「プロ人生で最速のゴールだよ」。試合が再開しても、今季最多2万3214人を集めたスタジアムは、どよめいていた。
フェル劇場は、これで終わらない。後半16分、追いつこうと前掛かりになった鹿島の裏を突く。縦パスで2対2の状況を作り、右の梁からラストパス。左側で受けたフェルナンジーニョが、またも右足で決めた。G大阪時代、05年3月12日の鹿島戦でも1得点しており「ガンバ初優勝の年に鹿島から奪った。好相性なんだ」と誇らしげに言った。
昨年末、助っ人は悩んでいた。所属していた大分がJ2に降格し「このままJ2に残ったら、自分のプレーがサビつくんじゃないか」。そんな時、仙台から誘いがあり、元仙台のMFシルビーニョに相談した。「仙台は最高の街だ。サポーターは熱狂的だし、移籍した方がいい」。02年のJ1初年度も、同じく第5節に鹿島を2-0で破ったが、その時に主力だったのがシルビーニョ。助っ人の縁が8年の時を経て結び付き、再び王者食いに導いた。
今季無敗の鹿島を、無敵のホームでのみ込んだ。ホーム連続不敗記録を「25」に伸ばし、宮スタでJ1初勝利。手倉森監督は控室で「チャンピオンに勝った誇りを持って次に挑もう」と謙虚に締めた。ベガルタの勢いが増す、大きな1勝をつかんだ。【木下淳】



