山形が22日のナビスコ杯ホーム神戸戦に、スタートから攻撃的布陣で勝負する。小林伸二監督(49)は20日の紅白戦で、挑戦中の「4-1-4-1」システムで戦術確認。1ボランチに守備力の高いMF下村東美(とうみ、29)を配置し、1列前にはチームトップクラスの攻撃力を誇るMF増田誓志(24)を起用した。

 “機関車トウマス”で、予選突破だ-。中盤の底で下村が声を張り上げ、ボールを奪うタイミングを指示。マイボールとなると増田が前線に駆け上がり、強引に仕掛けてファウルを誘う。増田は「ただ(試合を)こなすだけ、とは思ってません」と語気を強め、リーグ戦での先発の座奪取へアピールするつもりだ。下村は「リーグが中断した分、ナビスコが大事。集中していきます」と目を見開いた。

 “攻守の新エンジン”に、小林監督の期待は大きい。「モチベーションの高かったサブがいい動きをすると(チーム全体の)刺激になる」。定位置争いの活性化が、戦力底上げにつながる。さらに神戸戦を含む同杯残り4戦次第で、あくまでオプションだった攻撃的布陣を「レギュラーでできる」(同監督)。クラブ初の予選突破へ、そしてリーグ再開後の浮上へつながるレールを“トウマス”が駆け上がる。【山崎安昭】