清水FW永井雄一郎(31)がダービー(17日=磐田戦)で今季リーグ戦初先発が濃厚となった。14日に行われた紅白戦では主力組の3トップの左で出場。先制点をマークしたW杯中断前のナビスコ杯磐田戦(2-0)の勢いそのままに、得意のドリブルで磐田守備陣を切り裂く。

 「天才ドリブラー」が感覚を取り戻してきた。永井は「感じはいい。動けているし、自分の中でもいいリズムでプレーができている」。昨年5月5日(千葉戦=2-2)以来、438日ぶりのリーグ戦先発出場に自信を見せた。再開前、最後の実戦となった11日の練習試合横浜戦でも、1ゴールを決めるなど好調ぶりをアピール。長谷川監督も「トレーニングの成果が出ている。状態は非常にいい」と太鼓判を押した。

 スピード、ボールタッチ、タイミング、どれをとっても、ここ数年で最高に近いコンディションに仕上がった。ただ、永井自身がドリブルにおいて最も重要視するのは体力的なコンディションではない。「ドリブルは、体のキレというのもあるけど、気持ちが乗っているかどうか。気持ちの面が大きい」。ボールを失う恐怖よりも、相手ゴールに向かっていく積極性が好調を後押ししている。

 前回対戦のナビスコ杯予選リーグ磐田戦はセットプレーを押し込み、先制点をマーク。決勝トーナメント進出に貢献したが「反省の方が多い試合だった」と慢心も油断もない。さらに、前回は日本代表合宿で不在だった磐田DF駒野とのマッチアップが予想される。長谷川監督からの「消し合うのではなく、出し合いながら1つでも上回って欲しい」の期待に「思い切ってできるかが重要。少しでも前に(ボールを)運んでいく」と、気合を入れた。永井のドリブルが鋭い牙となって磐田に襲いかかる。【為田聡史】