<高校総体:サッカー>◇7日◇うるま市具志川多種目球技場◇決勝
名門、市船橋(千葉)が滝川二(兵庫)を4-1で下し、08年以来7度目の優勝を飾った。後半25分にFW和泉竜司(2年)の同点ゴールで追いつく苦しい展開だったが、延長前半に3得点で試合を決めた。6月下旬に平尾優頼主将(3年)の父秋吉さん(享年42)が急死。キャプテンのために、イレブンが一丸となった。エース和泉が今大会7得点で得点王に輝いた。
結束力を高めていた市船橋は、強かった。選手の手で3度、胴上げされた石渡靖之監督は「11人の気持ちが1つになって、プラスアルファの力が働いたんでしょう」と感慨深げに振り返った。後半、先制されても動じなかった。システムを4-4-2に変更し同点に追いつくと、そこからは運動量で上回る市船橋ペースだった。
延長前半に猛攻を仕掛けた。6、8、10分にどとうの攻めで3得点。勝利のホイッスルが鳴った瞬間、イレブンは天を指さし、ベンチから飛び出した選手とピッチで抱き合った。勝ち越しゴールを決めたMF藤橋優樹(3年)は「入った瞬間気持ち良かった。何が何でも点を取ろうと」。累積警告で出場できなかった準決勝の悔しさを晴らした。
チームが1つになる理由があった。大会前の6月、平尾主将の父秋吉さんが病気で他界した。主将は1週間練習を欠席し、悲しみにくれた。「サッカーを辞めようと思った」というキャプテンのため、3年生は一緒に食事したり、メールで勇気づけたりした。そして「みんな一緒に戦おう」と優勝を誓い合った。
霊前に優勝を約束してきた平尾主将は「見ててくれたかな。言葉にならないくらいうれしい」と涙で言葉を詰まらせた。石渡監督は「さらにたくましくなった姿を次で見せたい」。夏の覇者は脚光を浴びる全国選手権(12月~来年1月)の頂点も狙う。【菊川光一】



