<J1:名古屋3-1G大阪>◇第20節◇22日◇瑞穂陸

 G大阪のMF橋本英郎(31)の6戦連発が、手痛い空砲に終わった。名古屋戦の前半17分に相手DFのクリアボールを拾い、左足ダイレクトで一時は同点とするゴールを決めた。橋本は「相手が慌てている感じがしたので、無理やりクリアすると思った。だから先回りしていた。先を読むのは(本職の)ボランチの感覚です」と説明。7月28日神戸戦から続く連続弾は、秀才の頭脳が生んだ一発だった。

 それでも素直に喜べない。昨年、中東に強奪されたFWレアンドロが記録した連続ゴールに並んだが、計3失点して首位との直接対決に痛恨の敗戦。これでリーグ戦では5連敗という相性の悪さだ。V戦線に参戦するチャンスを逃し、名古屋との勝ち点差は10に広がった。敵地の観衆を魅了するほどのパスサッカーを展開し、後半だけで11本のシュートを放つなど攻撃では圧倒。足りないのは橋本に続く追加点、決定力だけ。内容では圧倒したからこそ後味は悪い。

 優勝争いどころか、順位は7位に後退した。橋本は「複雑です。(終了間際に得点した)前の鹿島戦も引き分けだったしね。どこまで喜んでいいのかな」とぽつり。得点王争いをするFW平井を前半だけで途中交代させた西野監督は「攻撃的なところは出せたし、点差ほど内容は離れていない。アンラッキーなところもあったから」と言ったが、痛すぎる黒星であるのは間違いない。残り14試合。05年以来のリーグ制覇へ、次節29日磐田戦から巻き返すしかない。【益子浩一】