<J1:鹿島1-0仙台>◇第22節◇11日◇カシマ
14位仙台が4位鹿島に完封負けした。前半40分にMF中田浩二(31)に先制点を許した。シュート26本を浴びながら追加点は与えなかったが、追いつけなかった。4月のホーム戦に続く鹿島戦連勝、リーグ戦3連勝に失敗。降格圏への転落こそ免れたが、15位に後退した。
王者の壁は高かった。失点は前半40分の左CK。ニアのMF青木、中央のFW興梠を経由し反対サイドのMF中田に押し込まれた。圧巻は、その後だ。リーグ屈指のプレスを後半に入っても食らい、狙われたFW朴成鎬らが次々とボールを奪われる。対する鹿島は、攻めれば確実にフィニッシュまで持ち込む。シュート数は9-26と圧倒された。
相手の鋭い出足で消耗させられた。後半26分にペナルティーエリア内の相手ハンドが認められず、千載一遇の同点機を逃すと追いつく力は残っていない-。仙台も走ったが、さらに走ったのが王者。4月に続く連勝は許してくれなかった。
それでも手倉森兄弟は夢を半分かなえた。86年から7年間、前身の住友金属鹿島に所属。誠監督は溶鉱炉で、浩ヘッドコーチは制御保全室で働きながらプレーした。ジーコ元日本代表監督と出会った。「当時は頑固オヤジだと思ったけど、信念を曲げないから尊敬できた」と誠監督。信条「ぶれない」のルーツは鹿島時代にある。「古巣に勝って恩返しできれば、もっと気持ち良かったが…」。真剣勝負で負けた悔しさの中に手応えを見いだしていた。
負傷者が続出し交代策も限られた中、王者を最少スコアに抑えた。「我々は決してJ2に落ちるチームじゃないことを表現できた」と手倉森監督。降格圏への転落こそ免れたが、綱渡りは続く。だが、上昇気配で19日の「みちのくダービー」を迎えられる。王者との対決で得た糧を宿敵との戦いで表現する。【木下淳】



