モンテディオが、逆風にさらされている-。山形小林伸二監督(50)が22日、相次ぐ故障者に頭を抱えた。19日仙台戦でDF前田和哉(28)が右ひざを痛め、両ひざに不安を抱えていたFW古橋達弥(29)は、足首ねんざの疑いで戦線を離脱した。必勝を期す湘南戦(25日)に、暗雲が立ち込めた。

 リハビリ組を含め、故障者は7人。フィールドプレーヤーの4分の1が抜けたこの日の練習は、どこか寂しい。小林監督は「(体力消耗の激しい)8月を乗り切った後に(故障者が続々)出たね…」。最下位の湘南とのホームゲームで、勝ち点3を奪いたいのはやまやま。だが、手ごまの少なさと3連敗の重苦しさが重なり、しかめっ面だ。

 DF宮本とMF秋葉が故障した広島戦(8月28日、1-2)から3連敗している。日中の寒暖差が大きいほど、赤くなるリンゴ。だが今夏の猛暑で、農家は色づきの遅さに気をもんでいる。昨季勝ち点39で残留し、今季はとんとん拍子に勝ち点を稼ぎ(現在28)収穫の秋を-、と考えていた小林監督。だが夏場の疲労が一気に出始め、青ざめるどころの騒ぎではない。

 小林監督は「新しい力に期待している。試合に出られるんだから、頑張って欲しい」と、総力戦の構えだ。けがは治るのを待つしかないが“負け癖”はチームで直すほかない。小林監督は「点を取って勝つのが一番の薬」と処置を心得ている。負ければズルズル深みにはまりかねない正念場。乗り切るための青写真を、指揮官が描くはずだ。【山崎安昭】