<天皇杯:横浜2-1鳥栖>◇3回戦◇9日◇ニッパ球

 横浜MF中村俊輔(32)が、直接FKでチームを勝利に導いた。鳥栖戦の前半23分、得意の左足で8月29日以来の公式戦ゴール。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)、クラブW杯と続く大会で、4回戦に進んだ。

 ゴールまで23メートルのペナルティーエリア右外で、中村の左足がうなった。ボールは4枚の壁の上を越えて落ち、ゴール右上に吸い込まれた。「左に蹴るか迷ったけれど、ボールがぬれていたので、上から(落とした)」。8月29日のリーグ新潟戦以来のゴールを振り返ったが、笑顔はない。後半にもあった2度のFKチャンスを「決められなかったから」と悔しがった。

 6日には日本代表の先輩でもあるラモス氏に「お前しか代表の10番はいない」と激励されて「刺激を受けた」と話した。8日アルゼンチンに勝った日本代表戦は「見ていない」と話したが、長く象徴として活躍してきた代表が気にならないはずがない。「ラモスの激励が効いた?」という質問に「ハハハ」と苦笑い。すぐに代表引退撤回はなくても、世界との戦いへの思いが消えることはない。

 天皇杯で6回優勝した木村監督は「勝てばアジア王者へのチャンスがある。さらに、世界一も狙える」と大会の重要性を選手たちに説く。中村も「優勝すれば上に行けるから、モチベーションも高まる」という。日本代表を率いてアジアや世界と戦ってきた中村が、今度はクラブを引っ張って世界を目指す。【荻島弘一】