<J1:名古屋2-1神戸>◇第27節◇23日◇ホームズ

 首位を走る名古屋が主力離脱のピンチに陥った。神戸に勝利し、勝ち点を57に伸ばしたが、日本代表DF田中マルクス闘莉王(29)が試合中に右太もも裏肉離れを発症。後半11分には日本代表のMF金崎夢生(21)が、左太もも裏を痛め担架で退場。連敗は阻止したが、初優勝へ向けて、攻守の主力選手に大きな不安を抱える緊急事態となった。

 ゴール裏にあいさつに行く選手の列を離れ、闘莉王は右足を引きずって引き揚げた。終盤に右太もも裏を負傷。すでに3枚の交代カードは使い切っていた。1人少なくなるのを承知でピッチを去る選択肢もあったが、闘将は「もう交代はなかったけど(退くことは)頭の中になかった」。チームの勝利のためプレー続行を主張。ストイコビッチ監督に直訴し、後半40分からは動きの少ないFWに位置を上げてもらい、5分のロスタイムも含めて戦い抜いた。

 入念な治療を受けジャージーに着替えた闘莉王は「引き分けや負けなら、チームにマイナスの風が吹いていた。でも、こうやって競って勝てたのは大きい」と勝利を喜んだ。だが、代償は予想以上に大きい。右太もも裏は古傷で「何とも言えないけど、経験から言えば(復帰まで)1カ月コースかな…」。努めて明るく振る舞ったが、Vに向け勝負の終盤に離脱を余儀なくされる見込みとなった。

 後半11分には、同じ日本代表のMF金崎も左太もも裏を負傷。即座に担架で退場した。ストイコビッチ監督は「金崎も闘莉王と同じで、筋肉の負傷だと思う」と説明。さらにMFマギヌンも左の尻付近を痛めて交代している。3人とも25日に精密検査を受けるが、ラストスパートの時期に主力3人がそろって離脱する可能性が高くなった。

 これが初Vへの試練なのか。この日勝ち、2位鹿島との勝ち点差は暫定ながら11まで開いた。鹿島とG大阪の24日の結果次第では、最短V決定は11月7日鹿島戦(カシマ)と圧倒的優位な立場にいることは変わらない。連敗を阻止して、たくましい1勝をつかんだが、チームは満身創痍(そうい)。真の力を試される苦境に立たされた。【八反誠】