<J1:鹿島1-0名古屋>◇第29節◇7日◇カシマ

 鹿島が名古屋にホームで1-0と競り勝ち、逆転でのリーグ4連覇に望みを残した。序盤から激しい守備で、首位を快走する好調な相手に対抗。後半14分にエースFWマルキーニョス(34)の得点で先制し、最少得点差をしぶとく守りきった。これでリーグ戦5試合を残し、勝ち点差を8に縮めた。07年には同じ状況で浦和との勝ち点10差を逆転した実績もある。得意のパターンで逆転優勝を狙う。

 死力を尽くした。試合終了を告げる笛で、ピッチに崩れ落ちたのは、勝った鹿島の選手の方だった。「相手がでかい選手ばかりやったから、正直(守りのやりくりは)カツカツやったよ」。DF新井場が苦笑がちに振り返るように、終盤はDF闘莉王をFWに投入し、パワープレーを仕掛ける名古屋に波状攻撃を許した。それでも体を張った守備で、得点は許さず。終了間際の名古屋FW小川のヘディングシュートも、左ポストをかすめて外れた。

 意地の勝利だった。試合前には勝ち点差11に離されていたが、選手たちは「3連覇しているチームの誇りにかけて勝つ」と口をそろえていた。まずは主将MF小笠原が、プロレスラーのような体格を誇る名古屋MFダニルソンに、激しく体を当て続けた。「自分がやれば、みんなやってくれると思ったから」。

 DF岩政と伊野波の両センターバックも、名古屋の主砲FWケネディをサンドするようにつぶしにかかった。「狙い通り、1発目から激しくいった」と伊野波。岩政も「イライラしているのは伝わった。そういうのも大事な駆け引きですから」とJを席巻してきた巨漢封じを満足げに振り返った。

 勝ったとはいえ、主導権は握られた。勝ち点差もまだ8ある。それでもこの1勝の意義は大きい。オリベイラ監督就任以来、11月以降のリーグ戦は、これで12勝1分けと無敗。07年には同じ残り5試合で、勝ち点10差を逆転した実績もある。オリベイラ監督は「天気や交通渋滞のように、サッカーは機械で予想できるものではない。最後まで何が起こるか分からないよ」と不敵に締めくくった。【塩畑大輔】