<J2:甲府2-0栃木>◇34節◇14日◇栃木グ
J2甲府がアウェーで栃木戦に2-0で勝利し、柏に続き来季J1復帰を決めた。J1復帰は4季ぶり。前半は攻撃に迫力を欠き苦しんだが後半34分に先制。今季新加入のFWハーフナー・マイク(23)は「楽しんでできた」と言った。
甲府の内田一夫監督(48)は勝利の瞬間、ピッチをじっと見つめていた。泣き顔を見せまいとユニホームを引っ張り上げて泣く者、ピッチに倒れた仲間に馬乗りになってはしゃぐDFダニエル。その光景を歯を食いしばり、身じろぎもせず凝視した。
「耐え忍び、勝ってJ1を決めたことが本当にうれしい。昨年の悔しさを、選手は忘れずに戦ってくれた。応援してくれたサポーターの皆様、スタッフも皆さん、すべてに感謝したい」。サポーターが歓喜に沸く中、内田監督は一生懸命勝利インタビューに集中した。
昇格への苦しい道のりを象徴するように、栃木戦は苦しかった。後半34分、パウリーニョが決め、重苦しい空気は、J1復帰へのわくわく感に切り替わった。そうなれば、戦国武将武田信玄ばりに甲府は強い。「ヴァンフォーレ」はフランス語「VENT(風)」「FORET(林)」を合わせた造語。まさに、風のように攻め、同39分、マラニョンが勝負を決する2点目を奪った。
昨季最終戦。この屈辱が常にチームにあった。09年12月5日、ホームでの熊本戦。4位の甲府のJ1復帰には勝利に加え、3位湘南の引き分け以下という条件がついた。FW金の2得点で熊本を下すが、湘南が逆転勝利を収め、わずか勝ち点「1」差で夢は破れた。試合後の勝利インタビューで2得点の金は言葉が出てこなかった。誰もがこの光景を片時も忘れなかった。
J1に戻れる。試合後、内田監督、海野社長が次々と胴上げされた。クラブカラー、ブルーのユニホームに身を包んだサポーターが祝福の声援を送る。勝ち点1に泣いた昨秋を忘れ、チームの全員が喜びに身を委ねていた。【加納慎也】




