広島FW佐藤寿人(28)が、今冬にセリエAのキエボに移籍する可能性が8日、浮上した。この日、来季まで契約を残す広島側と条件見直しなどの1回目の交渉を行った。その一方で、キエボ側が1月の移籍市場での佐藤獲得を目指し、イタリア人代理人が本格調査に乗り出していることが判明。今後、広島へ正式オファーを出す可能性が出てきた。

 キエボは中田英寿、中村俊輔がセリエAで活躍した当時から日本人選手に関心を示していた。W杯南アフリカ大会での日本代表の躍進を受け、攻撃力の高いFWを補強候補に調査。EU圏外選手の登録枠も空いていることから、J2時代を含め7年連続でリーグ戦2ケタ得点をマークするなどJ屈指の決定力を誇る佐藤をリストアップした。

 佐藤のもとには7月にディナモ・ザグレブ(クロアチア)から打診があったが、広島でのタイトル獲得を優先して断った。ただ、佐藤は以前からセリエAにあこがれており「挑戦したいという思いがある」という。14日からプライベート旅行でイタリア入りし、キエボの試合を生観戦する予定。滞在中に移籍交渉が始まれば、日本からも関係者が渡欧して電撃移籍の可能性がある。キエボのほかに、サンプドリアやブレシャも獲得を検討しており、今オフの去就が注目される。