コンサドーレ札幌が柏DF蔵川洋平(33)獲得に動いていることが10日、分かった。今季限りでの柏退団が発表されており、札幌はすでにクラブを通じて正式オファーを出した。蔵川は06~08年まで石崎信弘監督(52)の下でプレーした“愛弟子”でもあり札幌でのプレーに前向き。今後条件面を詰めることになるが、決定すれば来季補強1号となる。

 札幌が石崎イズムを熟知するDFの獲得に乗り出した。蔵川は30代ながら豊富な運動量と粘り強い守備が武器のサイドバック。両サイドともにこなせて、守備的MFも可能。今季柏では15試合出場にとどまったが、11月23日の横浜FC戦では柏の優勝を決めるゴールを挙げるなど、積極的な攻撃参加も持ち味だ。加入となれば札幌にとっては大きな戦力アップになることは間違いない。

 クラブではシーズン途中から獲得を検討。9月の時点で柏が来季契約を更新しないことを確認すると水面下で調査。蔵川自身も同23日の札幌-柏戦前に石崎監督に直接、来季の“再入塾”を申し入れていたこともあった。札幌は強化資金に苦しんでおり条件面の交渉がカギとなるが、早い時期から興味を示していた札幌には好印象を持っているという。

 蔵川は00年にJ1横浜入りして1年で戦力外通告を受け、当時群馬県リーグのFCホリコシに在籍。関東リーグ、JFLに昇格させ、06年に柏入りした異色の経歴の持ち主だ。苦労人としての経験は、危機感不足といわれる若手選手の手本となるはずだ。