いよいよ11年のJリーグが明日5日、全国各地で開幕する。サポーターの注目は圧倒的に日本代表、海外組の活躍に集まる中、果たして日本サッカーの根幹であるJリーグは、このままでいいのか、との視点に立ち、セルジオ越後氏(65)が問題点をズバリ指摘。19年目を迎える日本最高峰のリーグの現場、フロントに本音の辛口提言を投げかけた。

 19年目になるけど、マンネリ化は否めないな。ピッチ上の勝った負けただけじゃなくて、クラブにはもっと高い意識を持ってほしい。来年、リーグは「成人式」を迎えるんだから、社会を動かす存在になってほしいな。地域密着を掲げているけど、もっともっと地域の経済界を巻き込んでほしい。入場料収入はあるけど、どうしても、親会社、スポンサーに頼っている構造でしょ。

 例えば、クラブが会長職を名誉職として設けて、そこに地域の名士に就いてもらうというのはどうかな。クラブの社長はほとんど親会社からくる人たちでしょ。社長はいてもいいけど、それだけじゃなくて、各地方の政財界に顔が利く実力者に会長職を依頼するとか。そういう人が会長になると、いるだけで地域経済からの還元とか、ネットワークが広がるメリットがあると思うんだよね。理想はそのクラブに魅力があって、その名誉職に立候補する人がたくさん出てくること。

 そしたら選挙をやるんだ。投票所をクラブ内に設けて、クラブの広報、メディアを通じてサポーターや一般市民に呼び掛ける。興味のある人に投票してもらう。実現するにはハードルは高いし、当然、エネルギーのいることだけど、それによって、わが町のクラブという意識はより一層高まると思うんだよね。

 また、行政を動かして、地域のお祭りやイベントに、動員している人たち全員にクラブのユニホームを着てもらう。それによって、サッカーに興味のない人たちにも、クラブを身近に感じてもらえるんじゃないかな。そういう活動はメディアも取り上げるだろうし、クラブのPRにもなるからね。ただ、それにはクラブだけじゃなく、Jリーグ側からの協力も必要だよ。